2020年7月31日の金曜ロードショーで放送の映画「聲の形」の相関図 キャスト あらすじ ネタバレ 考察 をご紹介します。
※誤って今回の映画「聲の形」のネタバレ考察記事に来てしまった方、ネタバレや考察自体が苦手な方はお戻りください。
映画「聲の形」相関図
映画「聲の形」のキャラクター相関図を作成しました。
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映画「聲の形」登場人物 声優
石田将也 声 – 入野自由（小学生時代 声 – 松岡茉優）
西宮硝子 声 – 早見沙織
西宮結絃 声 – 悠木碧
永束友宏 声 – 小野賢章
植野直花 声 – 金子有希
佐原みよこ 声 – 石川由依
川井みき 声 – 潘めぐみ
真柴智 声 – 豊永利行
島田一旗 声 – 西谷亮（小学生時代 声 – 小島幸子）
広瀬啓祐 声 – 増元拓也（小学生時代 声 – 武田華）
竹内先生 声 – 小松史法
石田美也子 声 – ゆきのさつき
西宮八重子 声 – 平松晶子
将也の姉 声 – 濱口綾乃
マリア 声 – 鎌田英怜奈
ペドロ 声 – 綿貫竜之介
西宮いと 声 – 谷育子
映画「聲の形」あらすじ
高校3年生の石田将也（入野自由）は、小学時代のいじめが原因で人間関係がうまく行かず、心を閉ざしたまま無為な日常を過ごしていた。
そんな自分に嫌気がさした将也は、母に負担させていた170万円を返済して自殺を決意。しかし、直前で思いとどまるのだった。
すべては小学6年生のある日。
将也（松岡茉優）のクラスに聴覚障害を持つ西宮硝子（早見沙織）が転校してきたことが始まりだった。
将也は硝子とのコミュニケーションを取ろうとするものの、その難しさに挫折し、徐々に硝子を疎ましく感じるようになっていく。その感情は周囲のクラスメイトに波及し、徐々に行動がエスカレートしていった結果、ついにいじめに発展してしまう。
そんな中、硝子の補聴器が紛失・故障を繰り返す問題が明るみとなり、学級会で話し合われた結果、将也がすべての責任を負った主犯とされてしまう。そして、補聴器の代金170万円は将也の母が弁償することになってしまったのだった。
この事件をきっかけに、将也はクラスメイトからいじめられるようになり、孤立してしまう。また、硝子が転校してしまったことで、彼女との関係も修復する機会をも失ってしまう。
失意のまま中学、高校へと進学した将也は、友人との距離感を掴むことができず孤立した学校生活を送っていたが、決死の覚悟で硝子との再会を果たす。
さらに、同じクラスの永束友宏（小野賢章）と仲良くなったことがきっかけで、
植野直花（金子有希）佐原みよこ（石川由依）川井みき（潘めぐみ）真柴智（豊永利行）らと親しくなっていくのだった。
少しずつ人との信頼関係を築いていこうとする将也だったが、ある出来事がきっかけで、事態は急展開を迎える。
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映画「聲の形」ネタバレ考察
※ストーリーの結末に触れる部分がありますので、ネタバレしたくない方は読まないでください。
硝子の自殺理由
硝子がいきなり飛び降り自殺しようとしたことに「え？何でそうなるの？展開が急すぎない？！」と思った方も多いともいます。
なぜ硝子は急にこのような行動を取ったのでしょうか。
その理由は、原作者の大今良時さんが「聲の形」公式ファンブックにて語っています。
それによると、「硝子は常日頃から自分の壊してしまったものを数えていた」ということです。
つまり、罪を重ね続けることでその重さに耐えきれなくなったときは自殺しなければならないと思いながら生きていたということで、表面上は普通に見えても実はあのときの硝子の心は、コップ一杯に注がれた水が表面張力で耐えている状態だったということ。
そして、「将也たちの関係が壊れた」というたった一滴の雫で、自殺という衝動があふれ出てしまったというわけです。
この自殺に至るまでの経緯が示すように、細かい心理描写と生々しい言葉のやり取りが繰り返し描かれ、登場人物の心の推移を読者に考えさせるというのがこの作品の特徴の一つですね。
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将也と硝子の共通点
主人公の将也と硝子には、奇妙な共通点がいくつかあります。
①名前に「しょう」が入る。
②母子家庭である。
③「怪獣のバラード」を歌う。
④いじめの被害者である。
⑤自尊感情が低い。
⑥自殺の方法が飛び降り自殺である。
ざっと挙げるだけでも６つありました。
なぜこのような共通点をキャラクターに持たせたのでしょうか。
その理由は、似たような存在である2人ですら分かり合うことは困難なことであるということを示唆する意図があると考えられます。
作品のテーマである「他者を理解することの難しさ」を表現するためのキーポイントとして、このような共通点を持たせているんですね。
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「聲の形」と「カレーライス」
ぼくは悪くない。だから、絶対に ｢ごめんなさい｣ は言わない。
出典元：『カレーライス』著/重松清
これは、植野直花が授業で朗読する「カレーライス」という作品の冒頭部分です。
「カレーライス」は、ドラマ「流星ワゴン」の原作など数々のヒット作で知られる小説家、重松清さんの作品で、平成17年度の小学校6年生用国語科教科書のために書き下ろしされた作品です。
主人公の男の子が、ごめんなさいという言葉ではなく、カレーライスを作るという行動によって父親との和解を果たすというストーリーで、相手との関係修復を図るのには「言葉」ではなく「行動」で示すことでも可能だということを学ぶ過程が描かれています。
これは「聲の形」に込められたテーマの一つとして、言葉ではないコミュニケーションの手段の重要性を示唆する重要なポイントだと考えられます。
京都アニメーション放火殺人事件と聲の形
映画「聲の形」を製作した京都アニメーションは、2019年7月18日、放火による爆発により約70名の尊い命が奪われるという悲惨な事件に見舞われました。
いわゆる「京都アニメーション放火殺人事件」です。
この事件によって「聲の形」を製作したスタッフの方も亡くなられています。
事件の全容は未だに解明されていませんが、犯人の身勝手かつ短絡的な行動によって、京アニがこれまで積み重ねてきた実績が一瞬にして吹き飛ばされてしまいました。
「聲の形」では、いじめを通し、身勝手な行動が人間の尊厳をいとも簡単に壊してしまう怖さが描かれていますが、その裏には、こういったことが起きないよう、自分自身でも気づかないうちに相手を傷つけてしまうということがないよう、注意しようという警鐘を鳴らす意図があったと思います。
そんな作品を製作した京都アニメーションが、このような事件の対象になってしまったことは本当に残念です。
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