2019年4月4日に最新のFIFAランキングが発表されましたね。
われらが日本代表は、ポイントは1ポイントマイナスの1494ポイントでしたが、
前回の27位から1ランク順位を上げて26位となりました。
アジアの中ではイランの22位に次ぐ2番目に上位のランキングをキープ。
どういう計算でこのランクが決まったのか、実際に計算してみたのでご覧ください。
さてFIFAランキングは計算方式の問題から、「本当の実力を反映していない」とか「ほとんどあてにならない」と言われてきました。
しかし、2018年8月16日から、そういった不具合を解消するような新しい計算方式に変更になったことをご存知でしょうか?
2018年8月16日発表のFIFAランキングから、最新版の計算方式に変更となりました。
2019年4月現在、FIFAランキングは以下の3つの条件により数値が算出されます。
- 試合の重要度
- 試合の結果
- 対戦相手との差
「試合の重要度」による係数
これは、どのような位置づけの試合なのかによって数値が決まっています。
以下がその数値です。
W杯の準決勝、決勝、3位決定戦 60ポイント
W杯準々決勝までの全試合 50ポイント
各大陸選手権本大会の準決勝、決勝、3位決定戦 40ポイント
各大陸選手権本大会の準々決勝までの全試合 35ポイント
W杯各大陸予選 25ポイント
W杯各大陸選手権予選 25ポイント
各ネーションズリーグの最終リーグ,プレーオフ 25ポイント
各ネーションズリーグのグループステージ 15ポイント
国際Aマッチデーの親善試合 10ポイント
国際Aマッチデー以外の親善試合 5ポイント
今回は、国際Aマッチデーの親善試合で、コロンビアとボリビアの2チームと対戦したので、重要度のポイントはそれぞれ10ポイントだったということになります。
「試合の結果」による係数
勝利 1ポイント
引き分け 0.5ポイント
負け 0ポイント
次に、試合の結果ですが、コロンビアには敗れたため0ポイント。ボリビアには勝利したので1ポイントだったということになります。
「対戦相手との差」による係数
対戦相手との差は、Elo(イロレーティング)という計算方法に基づいています。
イロレーティングとは、将棋やチェスなどのプロのランキングで算出法として利用されているもので、以下の計算式で産出されます。
まず
(相手の現在のポイント)-(自国の現在のポイント)=A
とします。
今回でいうと、
コロンビア-日本=A
1595-1475=80
となります。
そして、この80を以下の計算式のAに当てはめます。
1 ÷ (10^(A÷600) + 1)=
計算すると、
1 ÷ (10^(80÷600) + 1)=0.42384•••
となります。
これが「対戦相手との差による係数」です。
同じようにボリビア戦では、
1374-1495=-121
1 ÷ (10^(-121÷600) + 1)=0.61404•••
という数値になります。
結局、ランキングポイントの計算はどうなるの?
というわけで、ここまでの計算してきた数値を合算して初めて、FIFAランキングのポイントが決まるということになります。
【計算式】
FIFAランキングのポイント = ①試合前のポイント +②試合の重要度によるポイントx (③試合結果ポイント – ④対戦相手との差)
これでいくと、コロンビア戦で
これで計算すると、コロンビア戦で
10×(0-0.42384)=-4.2384
ボリビア戦で
10×(1-0.61404)=3.8596
2戦での合計をすると
-4.2384+3.8596=-0.3788
というポイントになりますが、小数点以下は繰上げで計算されるので、結果、-1ポイントとなります。
前回のポイントが1495ポイントだったので、1495-1=1494となりました。
ポイントは下がりましたが、日本より上位にいたオーストリアが欧州予選でポーランドに敗れ-30ポイントと大きくマイナスし1479ポイントまで後退したため繰り上がりで順位を上げました。
この算出方法を続けることで、欧州の中堅国が享受してきたと言われていた「FIFAランキングの抜け穴」問題がある程度解消されるのではないでしょうか。