大半ってどれくらいのことを指すの?半分以上?8割?何%なの?

都立中高一貫の試験対策の作文問題で、面白い文章があったので紹介します。

 

森本哲郎さんの「日本語 表と裏」より抜粋した文章でした。

 

その中で、森本哲郎さんが、中国の方から「日本人が『大半の人はそう考えています』という時の『大半』は、一体どれくらいの割合のことをさすのか?」と聞かれて答えに窮したという下りがあったのですが、

 

これって確かに日本人あるあるで、人によって割合が全然違いますよね。

 

しかも同じ人でも、その時の会話の状況で、半分くらいのことを大半と言ったり、8割くらいのことを言ったりしますし。

みんな都合のいいように使っちゃってるという印象です。

 

ちなみに辞書で「大半」を引くと、

 

半分以上。過半。転じて、大部分。あらまし。

 

と書いてあります。

 

この定義によると、やっぱり半分くらいのことを言うのかなと思いますが、

 

ただ、先ほどの文章には実は続きがあり、ここからが面白いところなんです。

 

答えに詰まった筆者は、逆にこう質問を返します。

「大半とは元々、中国から伝わった言葉だと思いますが、中国ではどれくらいのことをさすのですか?」と。

 

半分くらいですかね。

 

という回答が返ってくる、と思いきや、「9割です」と、明確な数値を即答されてビックリ!

しかも9割って、日本語の意味よりだいぶ多いですよね。

 

実は中国では「大半の次に多半というのがあり、これが7割、その次の一半が5割、またその次にくる小半は4割を指す」のだそう。

 

へ〜そうなんですね〜。

元々の語源から意味が変化してしまっているとは思いませんでした。

 

これって多分ですけど、中国から伝わった時は、このままの意味だったのが、使っているうちに今のような曖昧な表現に変化していったんでしょうね。

 

日本人が諸外国と比べてイエス、ノーをはっきりとさせないということが言われますが、こんなところにもそういった国民性が出てるなと感じました。

 

確かに私も無意識のうちに「大半」という言葉を自分の都合のよいように使い分けて会話している気がします。

明確な表現を避け、相手がどうとるかは相手次第。みたいなところ。

 

これはビジネスの世界でも、日本進出に失敗する外国の企業が陥る「罠」みたいになっているようで、以前、私も韓国の方から日本のお客様との商談はもやもやした感じがあって難しい、と嘆いていたのを思い出しました。

 

たぶん、会話のそこかしこに、こういったあいまいな表現が出てきて、「えっ?結局どっちなの?」みたいな感覚が残るんでしょうね。

 

まあ、その方のお客様の立場からすると、自分の要求をできるだけ飲んでもらいたいので不利になることは言わないようにうまく言葉を選んでいるということでしょう。

これはある意味、日本人が買い手としては商売上手ということにもなるのかもしれませんが。

 

ちなみに、筆者はこの国民性が良いとか悪いとかを言いたいわけではなく、違いがあるよ、ということを述べていました。

 いずれにしてもこれは大人でも気をつけておいた方が良い視点ですよね。

 

子どもと一緒に勉強することで、こういうことに気づけるというのは、親子で受検に取り組むメリットなんじゃないかなと思うのでお勧めです。